パート2では、手に優しい糸を紹介します。
後半は打ち心地の優しい糸に向けての話です。どちらかってぇと狂ったように引っぱたく方にはあまり縁のない話です。
テニスエルボー対策のストリング(ガット)は?
軽量ラケットがあふれてから、そしてテニスが誰にでも簡単にできるようにラケットの性能があがってから、巷にはテニスエルボーの方が蔓延したような気がします。ウッドの時代にはこんなに居なかったような気も。でも、本当はラケットをうたがう前にあなた本人のフォームやテニスの中に原因があることもお忘れなく。痛いって症状は実は、筋繊維が断裂してるんですから。無理して続けるとすごい長引きますよ。って重症の僕が言うんですから間違いないです。
これなら手に痛くなくなる!
もうお金が高いとか言ってられないでしょお?グダグダ言わず即ナチュラルを張って見て下さい。間違ってもお店でシープなんて言わないで下さいね。20年以上昔は羊の腸を使ってましたから羊腸と書いてシープガットでよかったんですが、今やシープガットは管弦楽の世界で使われてるくらいで、素材は牛の腸から作られてるんです。牛腸って書いてガットって呼ぶんですよ。
使ったら、こんなにも手応えが楽なのってくらい驚くはずです。ショックが露骨に減ります。スピンもかかるし、音はあきらかに自分が上達したかみたいないい響き。テンションも落ちにくいですから気分良く使える期間が2〜3倍に増えます。だから、お金が高くても、あまり切れないプレイヤーならかえって元が取れるかも。
よく雨が降ったら使えないからって断り文句も言われますが、いつまでもメーカーは馬鹿じゃありませんから。
今やナチュラルは新しいウチなら雨の日でも平気で使えます。もちろん、そのあと水気を拭き取る心使いは必要ですが。そもそも誰が雨の日にナイロンは使えるって妄想を言い始めたんだか。ナイロンは水を吸うんですよ。湿気を吸ったナイロンはてきめんに伸びるんです。切れはしませんが..。だから雨が得意でないのは似たり寄ったり。しかも寒い時期に硬化する人工素材と、温度変化にあまり左右されないナチュラルの差といったら....。そもそも、肘や手首が痛いんでしょ?だったら楽になりたくないんですよね?試すべきです!
優しい打球感が欲しかったら、ここはあえてPACIFIC社のPrime-Gut¥9,870やCllasic-Gut¥7,035を推します。ナチュラル旧来の弾性を感じていただけるはずです。もちろんオールラウンドに耐久性までも考慮するとBabolatのナチュラルは信用性絶大ですね。
ナイロンで手に優しいのは?
もちろんあります。それはTechnifibre社のTGV¥3,360。他にはTOA社のLIVE WIRE¥3,360,Babolat社のXCEL¥3,150,Wilson社のNXT¥3,150です。キーポイントはマルチフィラメントの接着にポリエステル樹脂を使っていることです。
どれも、張り上げた直後の打感は今までのナイロンとは雲泥の差があります。これならもうナチュラルは入らないかとも思いました。でも、3週間とか経ってみると差がつきます。やっぱり、天然素材を簡単には追い抜けないって実感しました。
ですから、一度はナチュラルを張って下さい。
それも、きちんとした専門店でです。ノット(結び)ひとつ見ても、張り上がりに差が出るのがナチュラルです。病みつきになっていただけなかったなら、諦めます。あなたの肘、手首を守り、テニスをうまくしてくれるモノがあるのにいつまで目をそむけ続けますか?
乗っかり感のいいものを!
これもご年配又は女性プレイヤーからよくでるリクエストです。確かにラケットの中に包み込んでくれる感触はその手のプレイヤーにとってご馳走のはずです。これの答えは、結局このページ冒頭に述べました。手にショックを与えないストリングと同等と考えてもらってもよいでしょう。でもただ一つわかってて下さいね。
ご年配の女性によくあるスウィング。いわゆるテイクバックからボールを捕らえたら、少し振って止めちゃうってやつ。およそ、振り抜くって言葉とは真逆のスウィングのことです。
こうしたスウィングは基本的にパワーを産みません。ボレーには問題なくても、ストロークでは飛ばさない、飛んでくれないスウィングなんです。そこを棚に上げて冒頭のストリングを(写真に掲載したやつ辺りが槍玉に)ボールが飛ばないって評価されることがあるんですね。いいえ、技術はわかっていてもそう簡単には変えられないこともわかっていますよ(^_^)だから、メーカーさんはここにも救いの手を!
Babolat社のXCEL パワーなんかまさにそれです。
どんな太さを選んだらいいの?
あなたが、恐ろしく切れるプレイヤーでない限り必ずや迷う問題です
ね。三つに分けて考えましょう。
かなりの非力な方?
ならば少しでも飛ばしたいでしょうから、迷わず細めな糸を張って下さい。ただし、細い糸は切れやすく、伸びやすいって欠点もありますからつきあい方はよろしくお願いしますね。そもそもストリングが切れたこと無いッて方はあなたにとってその糸の耐久性が有りすぎですよ。たまに切れるのも快感じゃないですか?ここで 薬師丸ひろ子を思いだした方は僕に年が近いかもしれません。
細けりゃボールにも食いつくし、スピンもかかります。打った感触もシャープで気持ちいいじゃないですか。ただし、困ったことに打感はカチッと出るんですよ。だからテニスエルボーの方ならどんどん細くするより、ある程度太めにしておいて、テンションはやや下げ気味ってのも有りかもしれません。もっとも肘が痛いって時にマイナス3〜5ポンド程度じゃ気持ちの問題かもしれませんが。
もう少し打ちたい方?
耐久性と飛びとのバランスを探しましょう。あなたが自称ハードヒッターであっても、半年間切れないってならあまりスピンをかけるタイプじゃないんでしょうし、そりゃ持ちすぎってもんです。切れてくれれば張り替えにも勿体ないって感覚は生まれてこなくなりますよ。
もちろん、今のラケットが高反発ですから、そんなに飛ぶように仕上げなくてもいいんですが..。ある意味、打てる自信が有る方なら ゲージの細さに頼らずともパワーもスピン具合も引き出せちゃうでしょうが、そこまで振れて無い方は、一度細いゲージをお試しいただく価値はありますよ。まあ無難には1.30前後ですね。
恐ろしく振り回す方?
耐久性が本当に欲しいでしょうから、遠慮無く太い糸を張りましょう。そりゃ体格も違いますが、ヨーロッパのクレーコート育ちの選手達ったら当たり前でナチュラル時代1.35ゲージを張ってましたよ。今ではポリエステルの使用選手が圧倒的ですからさすがに ゲージは1.30からちょい細くなり始めましたが..。使ってみてあなたがパワー負けしないなら、その太さをモノにできてるってわけですよ。少なくとも飛びすぎは押さえられます。試合に勝てるかはまた微妙に違ういろいろな側面がありますので、いずれまた改めて
頑張って読んでいただいて有り難うございました。違う意見もあるでしょうが、テニスエルボーを抱えている僕なりの見解です。
ストリングやガットってスウィングが違えば全然評価が変わるもんですから。断言はむずかしいです。一つの意見としてお聞き下さい。