なんのためにグリップテープを巻くのか?
そもそも新品のラケットには、買えば¥1,000〜¥1,500もするグリップレザーが巻かれている。だから、ほぼ問題なくそのままの状態でもプレイできるはずなのに、圧倒的にグリップテープを巻いているプレイヤーが多いはずだ。なぜなんだろうか?
これには、盲目的に巻くもんだと思い込んでいるプレイヤーを除けば下記のような理由があげられる。
1)使い込んでしまい、元のレザーがあまりにボロボロ。
2)もともとグリップサイズが2から4サイズしか用意されてないため、あと少しの微妙な太さ加減をグリップテープで調整したい。
3)元のレザーより、グリップテープを巻いた感触の方が好きだ。
4)ファッション性のため。これは差別化や主張も含む。
およそ、そんなところではないか。
一つ注意願いたいのは元レザーもグリップテープもウレタン系の素材の場合だが、(困ったことにほとんどがこの組み合わせ)3ヶ月以上も巻きっ放しにして使い込むと、素材同士が自己融着を起こして、剥がす際に元レザーの表布を剥ぎ取ってしまう。だから本来ウェット系のグリップテープと元レザーは相性は長期においては悪いと言わざるを得ない。だから、わざわざ天然皮に巻き替える方もいらっしゃる。勿論それはフワフワ感を排除したい要望もあるだろうが…。それはさておき、ここではグリップテープの選び方を伝えたいと思う。
その1) 厚さ 基本の厚さは0.6mm±。 0.4mmを切れば薄手 0.7mmを超えれば厚い方だと思う。最も巻くときにある程度の張力をかけないと、ズレがちなので、引っ張りながら巻くわけだが引っ張れば引っ張るほど伸びて、細く薄くなることをわかっていただきたい。よくある基布に貼り付ける三層構造の場合などは、引っ張り過ぎると、表布が剥がれやすくなるため、ホドホドに留めておきたい。
大体薄ければ細めに仕上がるし、欠点は耐久性がやや落ちること。反対に厚けりゃフワフワ感と引き換えに太めになり、耐久性はあがる。厚さに絡んで凸凹ってのもあるが、グリップチェンジはややしずらく、握力が少なかったりで面がぐらつく方にはよいかも。これにも 一列の凸凹と二列の凸凹があるのでチェックいただきたい。
その2)穴あきと穴なし
表面積の理屈からは穴が開いてるほうが、接触面積が増えて摩擦が増えるからズレにくくなる。さらに、汗を発散させやすいというオマケも。
ただ実感できるほどの体感差は少なく、あまりこだわらなくてもいいような。
その3)ウェットorドライ
これはラーメンに薄口と濃い口があるように所詮試してもらわなければ,個々の答えが出ない話ではあるが、こ参考までに。日本で一番人気はウェットタイプ。車の革でない方の一般的なステアリングの感触っていうか、ひっつく感じのそれであり、巻いた直後から手に馴染みズレにくくなる。じゃあドライはってーと、紙系の素材であるがゆえに汗を吸いまくる。巻いた直後はサラサラで、とてもグリップしそうにないが湿り気を帯びると激変してグリップする。言ってみれば毎回慣らしが必要なテープであるが、全日本や外人選手には圧倒的に好まれている。これは欧米人の手のひらの汗腺の量にもかかわる話しかもしれないが、真剣にボールを追いかけ走り回るプレイヤーなら汗の量もハンパないはず。一度試してみる価値はあるだろう。