テニスに必要な小物、アクセサリーを紹介します

グリップテープの選び方

プレイヤーによっての好みは様々ですが、ここでは選び方の常識、
コツといったものをお話しします。最終的には、好みをお探し下さい。

代表的なグリップテープ
左端から順にBow Brand 白,2つめ/YONEX AC102 白
3つ目/Wilson Pro Over Grip,
右端/ドライの売れ線 Kimony ラストドライグリップ
(写真の値段は2023年9月時のモノです)

なぜグリップテープを巻くのか?

そもそも新品のラケットには、買えば¥1,000〜¥1,500もする高品質なグリップレザーが巻かれている。だから、ほぼ問題なくそのままの状態でもプレイできるはずなのに、圧倒的にグリップテープを巻いているプレイヤーが多いはずだ。なぜなんだろうか?

これには、盲目的に巻くもんだと思い込んでいるプレイヤーを除けば下記のような理由があげられる。

1)使い込んだおかげで、元のレザーがあまりにボロボロ。
2)もともとグリップサイズが1から4サイズしか用意されてないため、あと少しの微妙       な太さ加減をグリップテープで調整したい。
3)元のレザーを直に握るより、グリップテープを巻いた感触の方が好きだ。
 これは、確かに 元のレザーより摩擦感は高くなるから納得するが..。
4)ファッション性のため。これは差別化や主張も含む。
およそ、そんなところではないか。

だが、巻けば必ずほんのわずかでもグリップが太くなることは知っていて欲しい。
一つ注意願いたいのは元レザーもグリップテープもウレタン系の素材の場合だが、(困ったことにほとんどがこの組み合わせ)3ヶ月以上も巻きっ放しにして使い込むと、素材同士が自己融着を起こして、剥がす際に元レザーの表布を剥ぎ取ってしまうことがある。だから本来ウェット系のグリップテープと元レザーは相性は長期においては悪いと言わざるを得ない。だから、わざわざ天然皮に巻き替える方もいらっしゃる。勿論それはフワフワ感を排除したいとか、八面体の角を感じたいという要望もあるだろうが…。それはさておき、ここではグリップテープの選び方を伝えたいと思う。
 
好みがあるとするなら次の5つではないか。
①厚さにこだわる              →その(1
②タック感(滑りにくさまたは摩擦感)にこだわる→その(4
③汗の吸い取りが命             →その(4

その1)厚さ

基本の厚さは0.6mm±。 0.4mmを切れば薄手。 0.7mmを超えれば厚い方だと思う。巻くときにある程度の張力をかけないと、ズレがちなので、引っ張りながら巻くわけだが引っ張れば引っ張るほど伸びて、細く薄くなることをわかっていただきたい。よくある基布に貼り付ける三層構造のグリップテープの場合などは、引っ張り過ぎると、表布が剥がれやすくなるため、耐久性の観点からはホドホドの引っ張りに留めておきたい。

 テープの厚さが薄ければ細めに仕上がるし、欠点は耐久性がやや落ちること。反対に厚けりゃフワフワ感と引き換えに太めになり、耐久性はあがる。厚さに絡んで凸凹タイプってのもあるが、グリップチェンジはややしずらい反面、握力が少なかったりで面がぐらつく方にはよいのかも。これにも 一列の凸凹と二列の凸凹があるのでチェックいただきたい。

その2)穴あきと穴なし

表面積の理屈からは穴が開いてるほうが、接触面積が増えて摩擦が増えるからズレにくく
なる。さらに、汗を発散させやすいというオマケも。
ただ実感できるほどの体感差は少なく、あまりこだわらなくてもいいような。

その3)長さについて

グリップの握りにはシングルグリップとダブルハンズの2通りがあるわけなので、片手打ちの人間には長さはどうでもいいかもしれないが、ダブルハンズで握る人間には
ここまではグリップテープが来て欲しいと言う好みが存在するはず。
そもそも長さ規格は1,050〜1,200までがあるが、単に長さで比較するより
そこに幅がいくつあるかも考慮するといいでしょう。

その4)ウェットorドライ

テープの種類にはウェットとドライ、セミウェットの3種類があります。

これはラーメンに薄口と濃い口があるように所詮試してもらわなければ,個々の答えが出ない話ではあるが、参考までに。日本で一番人気はウェットタイプ。車のステアリングを例に取るなら、革巻きでない方の一般的なウレタン製のステアリングの感触っていうか、ひっつく感じのそれであり、巻いた直後から手に馴染みズレにくくなる。

じゃあドライはというと、紙系の素材であるがゆえに汗を吸いまくる。巻いた直後はサラサラで、とてもグリップしそうにないが湿り気を帯びると激変してグリップし始める。言ってみれば毎回慣らしが必要なテープであるが、全日本や外人選手には圧倒的に好まれている。
 
近年、①TOALSON QUICK DRYや②Kimonyのラストドライグリップのように
感触がウェットなドライ系グリップテープも出始めたので、こんな品なら日頃ウェット系グリップテープになれた方でもすぐ慣れるでしょう。
 
 
右上の画像参照
これは欧米人の手のひらの汗腺の量にもかかわる話しかもしれないが、真剣にボールを追いかけ走り回るプレイヤーなら汗の量もハンパないはず。一度ドライタイプも試してみる価値はあるだろう。季節的には夏はドライ系に頼るのもいいかも。
予備知識として日本メーカー製はウェットに力が入ってるし、それだけに海外ブランド物はウェットと言っても、気持ちドライぽかったりするわけだが…。WilsonのPro Over Gripは海外で販売している物と違い、日本で販売しているのは国産のウェット感の強い物。フェデラーや錦織選手はこちらを使っています。

ただ、人により耐久性の評価は変わるし、ドライの場合、プレイ直後に張り替えを持ち込まれるとグッショリ湿ってるのが少々気持ち悪い。張り替えの際にグリップテープを新品に巻き替えてから出してくださるお客様がどんなに有り難いことか。

その5)カラーの話

毎回、色を変えるとか汚れに強い黒しか巻かないって方はこの項は読み飛ばして下さい。トップ選手が使っているテープの色に白が圧倒的に多い理由をご存知ですか?有名選手の場合だと、契約メーカーからかなりの数のテープを供給されてるから、あまりに汚れればすぐ交換ってわけで 白が汚れるなんてことに問題意識がないこともありますが、かなりの確率で白は他の色に比べデキがいいのです。
染料の関係かこれは調査中ではありますが...だから、一度白は巻くべき色なんです。
 
白が好まれるもう一つの理由は、グリップのコンディションが一瞬で判断できるから。
汚れの見た目には強いが、コンディションを教えてくれない黒色とは情報量が段違いなんです。
実際、メーカーでも売れ線は白と黒である

その6)デザイン物

花柄やプリント物はどうか?可愛いとか心を捕らえちゃった場合をのぞきあまりオススメできません。圧着ヘコミでエンボス柄ならまったく問題ないが、色をプリントでのせてるものは、今まで幾度と発売されたが 全てひっつき感はも一つであったから。
結局、色んなメーカーから出ても長続きはしません。

その7)巻きやすさ

グリップテープには、グリップエンドを1週巻き付けた時に、シワが出来やすいが
これは特にヨネックスに関してはめちゃ巻き易いのが事実です。反対に
Bow BlandやDunlopはシワを作らないのに少し技術を要すると思います。
またテープの両端がWilsonのように三角形にカットされているものもあり
この辺は楽だと思うか、応用が利かないと思うかで好みに寄ります。

その8)製造年月日

そもそもナマ物じゃあるまいし、年月日も書いてないから気にしようもないのですが…。
問題はたくさん買い置きしてとか、ラケットバッグの隅から突如出てきた昔の品だったり、賞品でもらった品である。発売後、保管状態にもよるが一年は問題ない。しかし、3年もたつと巻いてるだけでも表皮がボロボロ剥けてしまうことがある。これは加水分解といって、その時間がテープを劣化させてしまったことによる。
だから大事な試合の日などは購入後間もないテープの使用をオススメしたい。
購入した時点の年月をテープのパッケージに書いておくのは賢いかも

その9)一本巻き?三本巻き?

結論から言えば、気にいったグリップテープが見つかったならば、あとは
予備も含め、複数本手元に置いておくべきですから、1本ずつ買うなんて論外です。
3本巻き、いや選べるなら12本巻きでもいいと思います。
いつ、巻き替えたくなってもいいようにスペアをバッグに忍ばせておかなければいけません。コートでグリップテープをねだるなんて最低です。ここで3本巻きをオススメする一番の理由は一本単価が安いにつきます!

ただし、初めて試すグリップテープの場合は話が別で、ヤケドを負わないよう、一本づつ買って試すのがいいでしょう。言ってみれば、一本売りはそのためだけの存在であり、単価で考えれば、安くすむにこしたことはないのだから。であるからこそ、米国のTOP選手ご愛用のTOURNA GRIPやYONEXグリップテープAC-102には30本巻が用意されているんです。愛用者にとっては嬉しい限り。そもそも一本巻きをパッケージからチマチマ開けてる風情が、あまりテニスが上手そうではない。やはりここはお徳用を人前で無造作に巻き替える姿がかっこいいのではないだろうか。
その10)お薦めグリップテープ(WET)
お試し用に1本売りにてご案内します。

左から順に
①Bow Bland_Over Grip
厚さ0.7mm 定価¥429
ハウディでの1番人気の国産品
タック感が抜群に長持ちする
規格1050×25×厚さ0.7mm
②DUNLOP オーバーグリップDTA-2011
厚さ0.6mm 定価¥418 国産品 
ちょい巻きにくいが耐久性は折り紙付き
規格1050×29×厚さ0.6mm
③Wilosn PROオーバーグリップ
厚さ0.5mm 定価¥385
フェデラー、錦織選手も巻く国産品
感触と耐久性のバランス
規格1050×30×厚さ0.5mm

左から順に
①TOALSON アスタリスクグリップ
厚さ0.5mm 定価¥300
これも耐久製が続く国産品でお薦め
規格1150×27×厚さ0.5mm
②KIMONY REGEND KGT136
厚さ0.68mm 定価¥418
国産で一番最初にグリップテープを
出したメーカーの 超ウェットタイプ
老舗は期待を裏切りません
規格1050×27×厚さ0.68mm
③YONEX Moist Super Grip AC-138
厚さ0.65mm 定価¥350
国産、ヨネックスラインナップ中
最もウェット。高摩擦
試合用スペシャル
規格1200×25×厚さ0.55mm

その11)お薦めグリップテープ(DRY)

①KIMONY ラストドライグリップ KGT150
厚さ0.68mm 定価¥363
超吸汗性がいいドライタイプなのに
感触がセミウェットタイプで
耐久性も◎ 国産品
規格 1050×29×0.68mm

②TOALSON Quick Dry Grip
厚さ0.5mm 定価¥352
吸汗性がいいドライタイプなのに
セミウェットタイプで
耐久性も◎ 国産
規格 1150×27×0.5mm

③YONEX WATER GRIP2 AC150
厚さ0.6mm 定価¥594
汗だくでも滑らない日本製
手では引きちぎれない超高耐久
雨の中のゲームならこれがイチオシ
規格 1200×25×0.6mm

④TOURNA GRIP XL3本入り
厚さ0.5mm± 定価¥1,320
吸汗性がいいドライタイプの大御所
不織布ゆえに使えばすぐボロボロに
でも米国選手で青のテープを巻いてたら
ほぼコレ!
規格 99×29×0.5mm
 
グリップテープの巻き方
右利き用をご覧下さい。